展示のお知らせです。
川田龍さんとの二人展「嘔吐学vol.2 greenery efficacy」を開催いたします。
本展は吉野俊太郎さんによる企画「嘔吐学」シリーズの第二弾となります。
嘔吐学については、下に掲載している吉野くんのテキストに詳細がありますが、
今回は吉野くんからのお題として、緑の光があるという条件つきの空間での展示になります。
ぜひご覧いただけたら嬉しいです。
嘔吐学vol.2「greenery efficacy」
4/16(金)-4/25(日)
13:00-19:00
入場無料
会期中無休
会場:WALLA
東京都小平市仲町615-29 →google map
[企画]吉野俊太郎
[会場内テキスト]伊藤亜紗
[DMデザイン]カワイハルナ
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「嘔吐学」とは、二人展の連続企画です。本企画ではそれぞれお声がけする二名に、制約付きの展示空間における二人展に挑んでいただきます。
「嘔吐学」というタイトルは、展示者や展示物ではないものから展示自体が干渉されていく様子を不快なもの=ノイズ Noiseとして捉えたところから発展し、決定しました。Noiseとは一説では、古ギリシャ語のNausia(船の-病)などの「船酔い」を意味する言葉が由来であると考えられており、現在の「吐き気」の英表現 Nauseaへとも関係する言葉です。
サルトルは著作『嘔吐(La Nausées)』の中で、主人公ロカンタンのあらゆるものへの吐き気の苦悩を描写しますが、これは個の唯我を脅かす客体の存在に、無限に嫌悪感を抱き、嘔吐として表現してしまうという話にも解釈できるだろうと考え、本展示における展示者や展示物などにとっても同様に、ある「吐き気」を抱き続けながらの展示体験になるだろうと推測しています。
一年前の前回は「作品のある展示室に入れない」という制約のもと開催しましたが、今回第二回では「緑色の光がある」という条件下で、川田龍と北林加奈子の二名の美術家に二人展を展開していただきます。展示者の意図しない光線は、展覧会そのものの印象に影響を及ぼしてしまい、そればかりか作品そのものの意味すらも変容させてしまう危険を孕んでいます。しかもこの作家たちにとって光とは、コンセプトにおいても作品演出においても極めて重要な役割を持つ要素です。光という逃れようもない制約空間で、果たして展示とはどのように生成され得るのか、ぜひ多くの方に観測いただければと思います。
(吉野俊太郎)
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WALLAは、大石一貴、大野陽生、前田春日美、吉野俊太郎の4名によって、2019年の夏に東京都小平市で始動したスペースです。二階建ての一軒家で、普段は共同運営する4人が二階をそれぞれのアトリエとして使用するほか、一階のギャラリースペースを使用しての展覧会やイベントなどを不定期に企画開催しています。WALLAとは「がや」や「賑やかし」など、いわゆる「エキストラ(=その他大勢)」的な効果のことを意味し、アーティスト・コレクティブのような芸術家集団としての団体名ではなく、主義主張を一にしない、あくまでも共有された場所のみを指す言葉として名付けられました。作品制作に一人集中できる環境を求める者もいれば、一つのグループを持つことで自身の制作へのモチベーションを維持できる者もいる。はたまた作品の制作よりも企画の制作に関心のある者もいる。そうしたバラバラの欲望を達成できる場として共有されています。(WALLA公式サイトより)
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